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株式会社なまあず本舗設計室の新工法GUWUの公式ホームページです

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White Guwu(美好町計画)

White Guwu(美好町計画)

 美好町計画は、GUWUのモデルハウスとして検証するために、なまあず本舗設計室で企画・設計・運営を行ったGUWU第一号物件です。できるだけシンプルな構成にし検証を行っていきます。築後6年を経過した、感想と反省点を追記しています。


↑美好町計画イメージ図

White Guwuとは?

 GUWUの第一号物件は、White GUWUと名付けました。これは外見が白いことから単純に命名しました。White GUWUは屋根まで白いですので驚かれる方も多いと思います。これは屋根の遮熱性を高めるための手段ですが、スタイリッシュに見せる手段としても重要です。
 GUWUの思想を体現すべく、実験的要素も多数取り入れられています。10月末のお披露より随時発表していきます。


White Guwu(美好町計画)を彩る12の要素

GUWUの特性だけでなく、これからの時代に求められる住宅の要素を織り込めています。その代表的な12の要素を紹介いたします。

「32畳多目的ルーム」

 広い部屋はGUWUの第一の特徴です。今回は無理せず8畳間を4つ合わせた32畳としました。スパン7.28mとしています。ここを自由に区切って楽しく住んでいこうというコンセプトです。小さいながらも32畳に柱がない空間は迫力があります。


築後6年の感想と反省点
 32畳と広いのは、精神衛生上良く、空気も籠もりにくくきれいで、想像以上に快適です。しかしながら壁が少ないので家具配置などしにくいうえ、プライバシーが保ちにくいというデメリットも感じます。エアコンや床暖房の効きは想像以上によく、大空間でも断熱計画をしっかり行えば問題ないことを実証しました。ただし天井高が高いので、夏場のエアコンは天井付近には効果がなく、サーキュレーターが必須と感じます。
 サーキュレーターを2021年夏に導入したところ、エアコンの効きが劇的にあがりました。1階床付近は何もなくても大丈夫だったのですが、小屋裏は暑かったのです。サーキュレーターを使う事によって、小屋裏に冷気が上がり、天井付近の熱が循環するようになったので、体感でまろやかな感じになりました。冬も天井付近に暖気がたまりやすいので、サーキュレーターで空気を循環させたところ、床付近の気温があがり(だいたい1度程度)体感ではかなり快適になりました。今後は天井付近にサーキュレーターを必須にしたほうがこの手の建物は良いかもしれません。

「テックワンP3プラスとトラス」


 広い部屋というGUWUのコンセプトを活かすために採用された工法は、テックワンP3とテックワンP3プラスです。テックワンP3は金物工法、テックワンP3プラスは、それに加えられた新たなオプション的金物で、トラスや方杖フレーム、高倍率耐力壁を実現できる先進的な金物です。美好町計画では、トラスとしてテックワンP3プラスを、この地域で先がけて採用しました。
 トラスは7.28mスパンで2分割していますので、運送は非常にしやすかったです。通常通し柱で使われている6m材が運搬の限界といわれていますが、このトラスは7.28mスパンの半分の3.64m程度で分割できるため通常のトラックで運送可能です。

築後6年の感想と反省点
オーソドックスな7.28スパンのトラスで、スパン的にも余裕があり、安心感もあります。また金物や木材を表しにしたので、状況がどうなっているか?確認できるようにしたのは良かったです。揺れなども少ないですが、地震時などでは若干の不安を感じます(見えているからです。天井を貼っていれば気にならなかったと思います)。金物工法ならではの揺れを許容する設計なので仕方がありませんが、これ以上のスパンを設計する際は、気をつけたいところです。


「ダントツルーフパネル」

クレーンでダントツルーフを移動しているところ

 広い部屋を実現、といっても構造だけでなく様々な難題が出てきます。広くなると冷暖房の対象も巨大になり、冷暖房が効きにくくなるのです。そこで一般の住宅よりも一段断熱性能を高めています。
施工の様子

 特に夏場の暑さを入れないため、屋根には断熱性能の高いLIXILのダントツルーフパネルを採用。断熱性能を高めるだけなら他の方法もありましたが、このパネルの良さは断熱材を挟んだ巨大パネルをクレーンで吊して一気に施工出来る点です。今回もスパン4m近くのパネルを棟から軒まで垂木や母屋なしで飛ばしています。



築後6年の感想と反省点

これだけ分厚い断熱材でも、夏の小屋裏は暑いです。通気は必須と感じます。小屋裏はエアコンを付けると良かったかな?と思います。現在はダントツルーフの仕様が変わっていますが、断熱だけに頼るのは良くないと感じます。もっとも夏でも個人的には扇風機で寝られるのはさすがだと思います。

「遮熱グラッサ」


 ダントツルーフパネルに合わせ、屋根仕上げも新型のコロニアルを採用しました。遮熱グラッサは通常のコロニアルに赤外線を反射する特殊顔料をグラッサコートに配合し、蓄熱を押さえる新型の屋根材です。割合で言えばわずかなのですが、屋根は広くまた受光面積も広いので侮れません。今回はクールホワイトを選択(上の写真)。外壁(上の写真は未施工)も白なのでスチレンボードでの模型のような仕上がりを予定しています(サッシなどは黒でアクセントを付けています)。
施工中の遮熱グラッサ
 サーモグラフィーで測定して見ましたが、周囲に同条件で測定できる新築の屋根材がなかったので、近隣の屋根(若干条件、角度が異なる)をいくつか、測定し比較してみました。新しいこともあるのですが、その差は1度〜5度程度。色が白ということもありますが、それなりの効果は望めそうです。

 サーモグラフィーの様子。室内気温34度の猛暑時に測定。だいたい61〜64度程度。他の家の屋根が62〜74度程度だったので、誤差や方角、屋根の角度を考えても若干の効果があったと思われます。

築後6年の感想と反省点

 これは、まったく駄目でした。遮熱しているかどうかが問題ではなく、非常に汚れやすいです。築3年くらいでも汚れが目立ちます。薄い色の屋根はコロニアルでは難しいと感じます。逆に濃い色の遮熱グラッサの効果も疑問が残ります。あえて付加価値と考えるなら、ある程度濃い色の遮熱グラッサを試して見た方が良いでしょう。
 住んでいる身からすると、遮熱効果は実感できなくなりました。

「クラウドロフト」

 一般的なロフトの概念をクラウド領域に拡大した先進的なロフトです。ダントツルーフパネルとテックワンP3の採用によりロフトの天井高に余裕があり(ロフトのため最高高さを1.4mに押さえています)、かつ快適な空間となるため、ちょっとした住空間の隠れ家的に活用できます。最大の特徴は出入り口が二箇所あり、その両方が32畳多目的ルームを見渡せる位置にあり、まさにクラウド(雲)の上にいる感じを味わえます。またはしごをロフト上に収納してしまえば、上に上がれなくなりますので多目的ルームを共用空間としても、一定のプライバシーと防犯性を維持出来ます。平屋の弱点であった万が一の床上浸水時にも逃げられる空間として利用できます。

築後6年の感想と反省点
 ダントツルーフの効果もあり、年間通して、小屋裏の温度が安定しやすいです。14畳もあるのですが、低い部分はちょっとした収納にしかならないので、部屋としての効率は悪いです。それでも収納が少ないGUWUに置いては貴重な収納空間でもあります。また夏暑い以外はメリットが大きく、落ち着くので作業場所、寝場所にも適しています。欲を言えば、小屋裏にエアコンを設置しておけば良かったと感じるくらいです。


「エントツルーム」

 設計上、何も工夫がないと言われている洗面脱衣室に、今回は切り込みました。洗面脱衣室の上を吹き抜けとして上部に窓を付けました。また、長年の室内干しの研究成果を活かした空間構成により、多くの洗濯物を短時間で乾かすエントツルームとして構成しました。家族4人分くらいの洗濯物は常時室内干しで乾燥機などを利用せずに乾燥できます。また季節によって異なる自然乾燥システムに切り替えられエコかつ家事の省力化を実現しました。

築後6年の感想と反省点
 やはり、空気が多い効果は絶大で、湿気が溜まりにくいです。上部の窓も有効で設計思想はほぼ実現できています。しかしながら、風呂から空気が東西に抜けるためのキッチンの窓は、仕事ででかけることが多いため、開けないことが多く、効果が限定的なことがあります。梅雨時でもそれなりに乾くため設置できるときは、お勧めしたいです。恐らく上向きのサーキュレーターと組み合わせると更に良いと思います。


「フルフラットべた基礎」

 地盤調査を複数組み合わせて安全を確認し、フルフラットなべた基礎を採用しました。配筋やコンクリートの打設ミスが少なく頑丈な基礎を実現します。根切り土が少なく事実上排出土もなく、非常にスピーディーに施工できます。基礎高はGLより400と長期優良住宅クラスとしており、耐久性を高めています。また一般の基礎と異なり、玄関部の欠ききり、主要基礎の人通口がなく、数値以上の頑丈性を誇っています。


築後6年の感想と反省点
あたり前ですが、何もわかりません。ただフルフラットにしたため、基礎高が高くしているため、雨が降っているときに床下、床上浸水の可能性がかなり低いので安心感があります。施工しやすさがそのまま耐久性や強度に影響でるのか?は今のところ分かりませんが、安心感は高いです。根入れの少なさは現在の所、問題はありません。

「高天井対応本棚」

 高い天井に合わせ、高い作り付け本棚を設置しました。高い本棚は暗くなりがちですが、本棚上部に窓を設け採光と通風を確保しました。
築後6年の感想と反省点

可動式にすれば良かったな、と感じます。しかし造り付けのデザインの統一感はなかなかのもの。多くの本を収納できます。上の方の本をとるためには、脚立が必要です。地震で本が落ちてくるのでは?と思いましたが、思った以上に頑丈で、今のところ地震で落ちてくることもなく、またその傾向もありません。扁平柱と高耐震と平屋という効果がでているのかもしれません。

「構造計算」

 なまあず本舗設計室は構造計算に強い設計事務所です。美好町計画も当然のように耐震等級3で構造計算されています。またテックワンP3プラスは構造計算で安全を確認して1つ1つ構造設計を行う必要がありますので、必然的に構造計算できる設計事務所であることが求められるのです。

築後6年の感想と反省点

 耐震等級3なので当たり前ですが、強いです。ただトラス部は一本材でないので、不安に思う人が居るかもしれません。地震のとき若干揺れます。平屋なので怖さはありません。

「ガス床暖房」

 広い部屋で高い天井は、自動的に冷暖房が効きにくいです。美好町計画は通常より断熱性を高めていますが、それだけでは足りません。そこで高い天井でも暖まりやすいガス床暖房を採用しました。これにより冬場のイベントも快適に行うことができます。また床の断熱材も通常より分厚く丁寧に施工しているため、床暖房の熱を逃がしません。

築後6年の感想と反省点

 非常に快適です。天井高が高いのでエアコンの効果が低いはずなのですが、ダントツルーフのおかげもあり、エアコンだけでも大丈夫です。当初は、エアコンなしで1シーズン冬を過ごしたのですが、まったくエアコンいらずでした。風もなく快適です。電気床暖にくらべて、暖かさが自然なうえ、ランニングコストも安いです。これなら普通にお客様に床暖はガスと安心してお勧めできます。

「鋳物ホーロー断熱浴槽」

 全体的に断熱性能にこだわった美好町計画ですが、風呂にも抜かりはありません。タカラスタンダード製の鋳物ホーロー浴槽を採用し、非常に暖まりやすいものとしました。またタカラスタンダードの浴室はパーフェクト保温を採用しており、浴室全体を保温材でくるんでいて、暖かさを逃がしにくい構造となっております。またユニットバスは地震に弱いものが多いのですが、耐震システムバスを採用しているので、いざというときも安心です。

採用設備:タカラスタンダード株式会社「プレデンシア」

築後6年の感想と反省点

 ホーロー浴槽の効果は高いです。ただし首回り部分は若干薄いのでこの部分が気になる方はいるかと思います。ショールームなどで確認されると良いと思います。体が温まり、安心して入れます。また汚れに強く、掃除しやすいのは最大のポイントで、他社に比べて大きなアドバンテージとなっています。またホーローパネルのおかげで、各種オプションが取りつけやすく、その部分でも他社を凌駕しています。高い製品ですが、他社のフラッグシップよりは安く買えるケースも多いので、入浴を大切にされる方はお勧めの商品です。断熱材の効果も高いですが、冬場安心して過ごすには周囲の断熱を十分に行った方が良いでしょう。断熱をしっかりし、直上天井高を低くしたこともあり、冬も快適でした。窓を開けることが難しい場合のため、浴室乾燥は必須と考えます。



「高床式玄関」

 近年ゲリラ豪雨など、どこで起きても不思議ではなくなっています。そのため通常の玄関では浸水する可能性が高くなってきています。美好町計画では、玄関の床の高さを50センチ以上としており、多少のゲリラ豪雨では浸水しないようになっています。また高床式としたため、基礎、土台に欠落部分がなくなり耐久性、耐震性がアップしています。

築後6年の感想と反省点

 工夫次第かな?と感じます。浸水しにくさと引き換えに、部屋内に汚れを持ち込みやすいです。GUWUの特性上、玄関を独立でもてないことも原因です。この形式を取る場合は、玄関を独立したほうがよいと思います。いろんな意味で玄関っぽくなくなります。